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2013年12月13日金曜日

社民党OfficialWeb┃声明・談話 | 死刑執行に強く抗議する(談話)

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"Title : 社民党OfficialWeb┃声明・談話 | 死刑執行に強く抗議する(談話)
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"Tags : 時事・ニュース,社民党,死刑制度,弁護人,再審請求
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2013年12月12日
死刑執行に強く抗議する(談話)

社会民主党
党首 吉田忠智

1.本日法務省は、東京・大阪の両拘置所で各1人、計2人の死刑を執行し、死刑囚の氏名や犯罪事実を公表した。社民党は死刑制度が人権に反するものとして、その存置に強い疑問を呈してきた立場から、今回の死刑執行に強く抗議する。

2.安倍政権下では今年2月、4月、9月に続き4度目、昨年末の政権発足から1年弱で8人という異例の大量執行は、政権交代前の慎重な議論を蔑ろにし、死刑制度の維持・正当化を狙う安倍政権の著しく偏った姿勢の表われであり、厳しい批判を免れない。谷垣禎一法相は本日の会見で「慎重な検討を加えた上で執行した」と述べたが、前回の執行からわずか3ヵ月、慎重な検討が加えられた形跡など全くない。一昨日に死刑囚と弁護人の再審請求の打ち合わせの場への拘置所職員の立ち会いを違法とする初めての判断を最高裁が行ったほか、昨日には日本弁護士連合会が死刑制度に関する政府の世論調査の質問の仕方が誘導的だとして、是正を求める意見書を法務省に提出するなど、死刑制度をめぐる議論が続く中での執行は言語道断である。

3.1989年の国連総会で「死刑廃止を目指す、自由権規約第二選択議定書」(死刑廃止条約)が採択されたが、日本はこの条約を未だに批准していない。また昨年12月には国連総会で、4回目となる死刑の執行停止を求める決議が過去最多の111ヵ国が賛成して採択されている。さらに今年5月、国連拷問禁止委員会が日本政府に対し「死刑を廃止する可能性を検討すること」と踏み込んだ所見を発表している。死刑の廃止が国際社会の共通意思となりつつあるなかで、日本政府は度重なる指摘を無視し、一貫して世界の潮流に背を向け続けている。

4.政府および法務大臣は、早急に国際人権基準に沿った法改正への道筋をつけるとともに、死刑制度に関して存廃や死刑に代わる措置など刑罰の在り方についてより開かれた国民的な議論を尽くし、その間は死刑の執行を停止すべきである。社民党は今後も、死刑制度の見直しに全力を挙げて取り組む。

以上

引用:社民党OfficialWeb┃声明・談話 | 死刑執行に強く抗議する(談話)




<死刑執行>再審請求予定していた…人権団体など抗議の会見 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

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"Title : <死刑執行>再審請求予定していた…人権団体など抗議の会見 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース
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"Tags : 時事・ニュース,死刑制度,海渡雄一弁護士,人権,再審請求
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12月12日(木)19時4分配信

 法務省が2人の死刑を執行したことを受け、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル日本」などが12日、東京都内で記者会見を開き、若林秀樹事務局長は「今年を象徴する一字は『輪』だそうだが、今回の執行は死刑廃止の潮流にある世界の輪を乱すものだ」と批判した。

 会見に同席したNPO法人監獄人権センターの海渡(かいど)雄一代表は「特定秘密保護法が成立してまだ1週間という時期に執行すること自体、死刑を維持しつつ厳罰をもって刑事司法を運用していくという政府の意思を表している」と話した。

 刑を執行された藤島光雄死刑囚(55)は近く6度目の再審請求をする予定で、加賀山領治死刑囚(63)も再審請求の準備を始めたばかりだったという。

 一方、大阪市北区の商業施設で2008年に殺害された神戸市の森永彰さん(当時30歳)の親族の男性(67)は、加賀山死刑囚の刑執行について「何の落ち度もない人間を殺したのだから死刑は当然。ただ、死刑が執行されても彼は戻ってこない」と静かに語った。

 執行後に会見した谷垣禎一法相は「日本では国民の支持があり、死刑(制度)を維持していくことに変わりはない」と述べた。【伊藤一郎、武内彩】

引用:<死刑執行>再審請求予定していた…人権団体など抗議の会見 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース




2013年11月18日月曜日

証拠の全面開示が必要。第1審から開示されていたら結論は変わった可能性があ る。 /谷山智光弁護士

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"Title : 証拠の全面開示が必要。第1審から開示されていたら結論は変わった可能性がある。 /谷山智光弁護士
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検察が主張に反する証拠類を隠していたからでせう/ジャーナリスト江川紹子

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"Title : 検察が主張に反する証拠類を隠していたからでせう/ジャーナリスト江川紹子
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弁護団は無罪の証拠の一つとして12月2日に提出する最終意見書に盛り込 む。/「一緒に消火した」 袴田事件、元同僚2人証言 - MSN産経ニュース

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"Title : 弁護団は無罪の証拠の一つとして12月2日に提出する最終意見書に盛り込む。/「一緒に消火した」 袴田事件、元同僚2人証言 - MSN産経ニュース
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2013.11.18 09:54

 昭和41年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で勤務先のみそ製造会社の専務一家4人を殺害、放火したとして強盗殺人罪などで死刑判決が確定し、第2次再審請求中の袴田巌死刑囚(77)について、同じ社員寮だった同僚2人が事件当時、県警の事情聴取に「サイレンを聞いて部屋を出ると、袴田(死刑囚)が後ろからついてきて、一緒に消火活動をした」と話していたことが17日、弁護団への取材で分かった。

 「事件前日の午後10時半ごろから鎮火が近いころまで袴田死刑囚の姿を見た者はいない」とする確定判決と食い違う一方、袴田死刑囚の「事件当時は部屋で寝ていた。火事を知り(この同僚)2人の後から出て行った」との主張と一致する。

 弁護団は無罪の証拠の一つとして12月2日に提出する最終意見書に盛り込む。

引用:「一緒に消火した」 袴田事件、元同僚2人証言 - MSN産経ニュース




弁護団は無罪の証拠の一つとして12月2日に提出する最終意見書に盛り込 む。/「一緒に消火した」 袴田事件、元同僚2人証言 - MSN産経ニュース

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2013.11.18 09:54

 昭和41年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で勤務先のみそ製造会社の専務一家4人を殺害、放火したとして強盗殺人罪などで死刑判決が確定し、第2次再審請求中の袴田巌死刑囚(77)について、同じ社員寮だった同僚2人が事件当時、県警の事情聴取に「サイレンを聞いて部屋を出ると、袴田(死刑囚)が後ろからついてきて、一緒に消火活動をした」と話していたことが17日、弁護団への取材で分かった。

 「事件前日の午後10時半ごろから鎮火が近いころまで袴田死刑囚の姿を見た者はいない」とする確定判決と食い違う一方、袴田死刑囚の「事件当時は部屋で寝ていた。火事を知り(この同僚)2人の後から出て行った」との主張と一致する。

 弁護団は無罪の証拠の一つとして12月2日に提出する最終意見書に盛り込む。

引用:「一緒に消火した」 袴田事件、元同僚2人証言 - MSN産経ニュース




2013年10月31日木曜日

名張毒ぶどう酒事件の最高裁不当決定抗議集会で野嶋真人弁護士は、「最高裁は 化学的な判断から逃げた」と批判。また弁護団は今後精力的に証拠開示を求めて いくことを明らかにした。/ジャーナリスト江川紹子

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"Title : 名張毒ぶどう酒事件の最高裁不当決定抗議集会で野嶋真人弁護士は、「最高裁は化学的な判断から逃げた」と批判。また弁護団は今後精力的に証拠開示を求めていくことを明らかにした。/ジャーナリスト江川紹子
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名張毒ぶどう酒事件で、弁護団は11月5日に、第8次再審請求を行う。/ジャー ナリスト江川紹子

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"Title : 名張毒ぶどう酒事件で、弁護団は11月5日に、第8次再審請求を行う。/ジャーナリスト江川紹子
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2013年10月25日金曜日

えん罪事件の再審に背を向ける司法 名張毒ぶどう酒事件/猪野亨弁護士

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"Title : えん罪事件の再審に背を向ける司法 名張毒ぶどう酒事件/猪野亨弁護士
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えん罪事件である名張毒ぶどう酒事件。
 2005年4月に名古屋地裁で再審開始決定が出てから既に8年が経過、最高裁が再審開始決定を取り消した名古屋高裁の取消決定を是認しました。
「名張毒ぶどう酒事件第7次再審請求第2次特別抗告審決定についての会長声明」(日弁連2013年10月18日)

 最高裁のこの間の姿勢は一貫しており、高齢となった再審請求者が死亡するのを待っているという姿勢がありありです。

 少なくとも現在の視点において名張毒ぶどう酒事件をどのように裁判がなされるべきなのかどうかが正面から問われています。
 本来、再審請求の場合には一度、なされた裁判を覆すということから、新たな証拠が必要とされています。その新たな証拠とそれまでの証拠を評価し、疑わしきは罰せずの原則を当てはめるということになります。
 しかし、それが正当化できるためには、前提として最初の裁判がまともに行われていたということが言えなければなりません。
 自白偏重の無理矢理、有罪にしてしまったような裁判を前提に「新証拠」を要求するのは問題外だということです。
 過去に起きたえん罪事件の構造は、無理矢理、自白させ、捜査機関によって作文された自白調書によって「有罪」とするのがお決まりパターンでした。
 「自白」に依拠するということは物証を得られないことの裏返しなのですが、これが非常に恐ろしいということなのです。
 捜査機関による思い込みだけで終われば、まだいいのですが、裁判所までがそれを是認してしまうことがさらにこの恐ろしさを増幅させます。
 現在、名張毒ぶどう酒事件のような証拠構造(自白偏重)で起訴された場合、十中八九、無罪判決となるでしょう。無罪でなければおかしいのです。あるいは起訴もできないかもしれません。
 今回の再審請求も現代の視点では到底、有罪にできないものについてまで門戸を閉ざすことの是非が問われているということを知るべきです。
 それを未だに最高裁は、「合理的な科学的根拠のある鑑定を基にしており、自白の信用性も揺るがない。高裁判断は正当」と自白偏重を追認しています。

 古い時代の刑事手続きだから仕方ない?
 そんなことを言ったらもっと前の事件も同じように「無罪」にする?

 今、生きている人の救済が考えられないようではダメです。決して古い時代の刑事手続きではありません。
 少なくとも日本国憲法下で起きた事件で、この放置は悪行です。

 先日、帝銀事件の元死刑囚の養子である方が亡くなっため再審請求を引き継げなくなったと報道されていました。この帝銀事件はこのまま闇に葬られようとしています。
 戦後に起きたえん罪事件が放置されたまま、刑事裁判は次にどこに行こうとしているのか、刑事訴訟手続きが「改善」されてきたとはいえ、まだまだ発展途上にある中で、過去の手続きへの姿勢が問われているのです。

 その意味では姿勢が問われているのは裁判所だけはありません。検察庁、法務省にも向けられているのです。
 検察官は「有罪」維持で頑張ればいいというものではありません。検察官は公益の代表とされているのであり、有罪屋ではないのですから、適正な刑罰になっているかどうかの検証が必要です。
 戦後のえん罪事件を見る限り、裁判所だけの問題ではなく、検察庁(法務省)の問題でもあることは明白です。
 現行法上、再審請求できるのは特定の遺族に限るという制度もどうかと思いますが、他方で検察官も再審請求をできると規定されているのです。
 少なくとも検察官は有罪判決に耐えうる証拠がないような事件については再審請求をすべき職責があると言えます。
 検察官が名張毒ぶどう酒事件や帝銀事件などを本気で「有罪」と思い込んでいるとしたら、それもまたひどい病理だと思います。

軍法会議はえん罪だらけだったでしょうね。
「死刑という国民動員への脅迫 石破茂自民党幹事長」


引用:えん罪事件の再審に背を向ける司法 名張毒ぶどう酒事件




名張毒ぶどう酒事件・最高裁の棄却決定に思う/ジャーナリスト江川紹子

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"Title : 名張毒ぶどう酒事件・最高裁の棄却決定に思う/ジャーナリスト江川紹子
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江川 紹子 | ジャーナリスト
2013年10月19日 16時27分

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コメントを見る(17件)

なぜ?今?

名張毒ぶどう酒事件で、最高裁が棄却決定を出したとの速報を見て、頭の中に大きな疑問符が浮かんだ。弁護団が最高裁に書面を出した、と聞いたばかりだったからだ。
小池義夫弁護士が描いた元気な頃の奥西勝さんの似顔絵。よく似ている小池義夫弁護士が描いた元気な頃の奥西勝さんの似顔絵。よく似ている

検察官の主張に対する反論と、科学者3人の意見書や資料など、合わせて100ページほどを弁護団が投函したのは、9月30日という。最高裁に届いたのは10月1日だろう。再審請求棄却の決定は10月16日付。時間的に、弁護団の書面を吟味したり、議論したうえで判断した、とは思えない。

決定の内容を読んで、あ然とした。

焦点となっている毒物に関して、弁護側主張を検討した形跡がまったくないのだ。単に、検察側意見書によれば再審不開始の名古屋高裁決定は正しい、と言っているだけで、弁護側主張のどこが、なぜ違うのか、という理由にまったく言及していない。

そして、弁護人から決定が出るまでの経緯を聞いて、今度は呆然とした。

弁護団は書面を送付する際、裁判官と調査官の面会を求める上申書を提出していた。調査官とは、最高裁裁判官の仕事を補佐する役割で、地裁などで裁判官として実務経験豊富な判事が務める。

ところが何の音沙汰もないので、弁護団長の鈴木泉弁護士が10月11日に最高裁の担当書記官に電話をした。「調査官と裁判官に聞いて連絡します」と言われ受話器を置くと、わずか15分後に電話がかかってきた。「調査官、裁判官とも面会しないとのことです」という断りだった。

第7次再審請求で1回目の特別抗告審(最高裁第3小法廷・堀籠幸男裁判長)の時には、調査官が何度も面会に応じ、弁護団は難しい科学鑑定の中身を口頭で補足説明する機会を得ていた。ところが、今回の第1小法廷(櫻井龍子裁判長)では、調査官の面会も、ただの一度も実現していない、という。

裁判所の都合が優先
最高裁判所最高裁判所

しばし呆然とした後、ようやく働き始めた私の頭でこれらの事実を咀嚼し、冒頭の疑問に自ら出した答えは、次の2つだった。

(1)最高裁にとっては、とにかく奥西勝さんが生きているうちに裁判所の結論を出すことが最優先だった。

(2)その結論、すなわち再審を開始しないという結果は、あらかじめ決まっていた。

奥西さんは昨年5月に名古屋高裁刑事第2部(下山保男裁判長)で再審開始を取り消す決定が出されてから体調が急激に悪化。6月に八王子医療刑務所に移されたが、今年5月には2度も危篤状態に陥った。第7次再審請求審は、以下のような経過を経て、すでに11年以上が経過していた。

2002年4月 第7次再審請求



2005年4月 名古屋高裁刑事第1部(小出ジュン一裁判長)の再審開始決定

注:「ジュン」はかねへんに、つくりは亨



2006年12月 同高裁刑事第2部(門野博裁判長)の再審開始取消決定



2010年4月 最高裁第3小法廷(堀籠幸男裁判長)の差し戻し決定



2012年5月 名古屋高裁刑事第2部(下山保男裁判長)で再度の再審開始取消決定



最高裁第1小法廷(櫻井龍子裁判長)

最初に再審開始決定が出ており、最高裁第3小法廷の判断も「科学的知見」を重視するものだっただけに、本人や弁護団が期待しているだけでなく、マスメディアからも島田事件以来の死刑再審かと大いに注目されていた。最高裁の結論が出る前に、奥西さんが亡くなるようなことがあれば、裁判所が批判にさらされるのは必至だ。

そんな事態を防ぐため、とにかく生きているうちに、再審を開くつもりはないという結論を示して第7次再審請求審を終わらせるーー明示的か暗黙のうちかは分からないが、これが、最高裁第一小法廷の基本方針だったのではないか。それでも、検察側主張に対する弁護側反論を待たずに結論を出すわけにはいかない。なので、弁護側の書面が届くのを待って、(「これでよろしいですね」という形ばかりの確認くらいはしたかもしれないが)あらかじめ用意してあった決定文を印刷し、発送したのだろう。

つまり、事案の真相解明とか、人の命や尊厳などより、裁判所の都合が優先された、ということだ。
結論ありき、が「普通」

再審は開かせないーー名張毒ぶどう酒事件の再審請求は、こうした裁判所の結論ありきの姿勢との戦いだった。
2012年5月、名古屋高裁の差し戻し抗告審の「不当決定」に憤る鈴木弁護士に2012年5月、名古屋高裁の差し戻し抗告審の「不当決定」に憤る鈴木弁護士に

たとえば、第5次再審請求審で、唯一の物証であったぶどう酒の王冠についた傷が奥西さんの歯型と一致するという有罪判決の認定は、木っ端みじんに打ち砕かれた。それでも名古屋高裁は、王冠の傷は奥西さんの歯型に類似しているという旧鑑定にも「それなりの証明力が認められる」とか「自白の補強証拠の一つとなりえないとはいえない」などと有罪方向での評価を与え続けた。

そもそも、証拠とされた王冠が、本当に事件に使われたぶどう酒のものだったかどうかも、疑わしいところがある。事件の現場となった公民館からは、証拠として出されている王冠以外にも、たくさんの酒類の王冠がみつかり、警察が押収し、検察に保管されている。再審弁護団の初代弁護団長は、「(王冠が)ざくざくあった」と述べていた。だが、それは未だに開示されていない。

第7次請求審で再審開始決定を取り消した門野決定は、「…ではないかと考えられる」「…のようにも思われる」「…も無視できないように思われる」「…としてもおかしくないように思われる」などと想像や推理、推測、憶測を幾重にも重ねて、科学者の意見を退けた。そして、「当然極刑が予想される重大犯罪であり、そう易々とうその自白をするとは考えられない」と、「自白」に寄りかかって判断をした。無実の人の虚偽「自白」や目撃者が虚偽や誤解に基づいた「証言」によって、これまでたくさんの冤罪が作られてきた教訓は、そこでは全く忘れ去られていた。

どれだけ有罪の事実認定が疑わしくなっても、とにかく確定判決を死守するという結論は動かないのだ。これが、多くの裁判官の対応だった。私には異常に思えたが、裁判所の世界では、これが「普通」なのだろう。
「普通」につぶされる「まとも」な判断

それでも、時々まともな裁判官は現れる。

ここで私が言う「まとも」とは、

1)再審請求審においても、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則が適用される、とした白鳥決定を意識する

2)自白などの供述に頼るより、客観的な証拠、とりわけ科学的知見を重視する

という姿勢を意味している。

第7次再審請求審で再審開始を決定した小出コートは、1)の意味で「まとも」だったし、科学的知見を重視して判断をやり直すように求めた最高裁第3小法廷は、2)の意味で「まとも」だった。もちろん、いずれも弁護側の主張を丸飲みしたわけではない。たとえば小出決定は、それぞれの証拠の意味するところを的確に把握し、事実認定のうえで新たな視点を提供しているかどうかで採用不採用をきっぱり分別。そのうえで、確定判決に合理的な疑問が生じている以上、再審を開くべき、という明解な論旨だった。

ところが、そういう「まとも」な判断が出るたびに、それを他の「普通の」裁判官たちが潰しにかかる。その繰り返しだった。門野コートは自白に依存し、下山コートに至っては、検察官が主張もしていない化学反応を自ら考え出して、せっかく開きかけた再審開始の扉を、再び閉ざした。

その挙げ句の果ての、今回の最高裁の決定だ。

再審は、過去の裁判を見直す作業でもある。裁判所の判断が誤っていたかもしれない。見逃した事実があるかもしれない。そんな謙虚な姿勢で証拠を見直し、様々な意見に耳を傾けるのでなければ、間違った裁判は正せない。

残念ながら、今回の最高裁にそうした謙虚さは欠片も見られなかった。無辜を救済する使命感も全く感じられなかった。伝わってきたのは、「裁判所は間違わない」との無謬神話を維持する強固な意志と、裁判所の対面や都合を優先する姿勢ばかりだ。

裁判官は選べない。ならば…
毒ぶどう酒事件被害者の霊を慰める観音像毒ぶどう酒事件被害者の霊を慰める観音像

私が名張事件と関わって、もう20年以上になる。その間、他の再審請求事件についても、取材をしたり、関心を持って見てきた。

確かに、足利事件、氷見事件(富山強姦・同未遂事件)、東電OL殺害事件などで再審無罪判決は出ている。ただ、これらの事件は、DNA鑑定や真犯人の逮捕によって、犯人が別人であることが明らかになったケースだ。そうでもなければ再審が開かれないのでは、冤罪の犠牲者を救うことは難しい。実際、冤罪と思われる事件でも、再審の扉はなかなか開かれず、いったん開かれた扉も、すぐにまた閉じられてしまう。

圧倒的多くの「普通」の裁判官が過去の裁判所の判断を見直したがらない中、時折「まとも」な裁判官が現れたり、「まとも」な判断がなされたりする。それは他の事件でも同じだ。

けれども、被告人も再審請求人も、裁判官を選ぶことはできない。格別に幸運で、「まとも」な裁判官や「まとも」な判断に続けて出くわせば、雪冤を果たせるかもしれない。けれども、そうでない多くの場合は、救われない。これが今の日本の司法の現状だ。

その結果、奥西さんは名古屋高裁の逆転死刑判決以来、44年間も獄につながれている。

かといって、裁判所が自ら変わっていく、ということは全く期待できない。ならば、これ以上「運」に任せるのではなく、こんな事態がまかり通っている仕組みを変えていくべきだ。

そこで提案が3つある。

1)現在の裁判で認められている程度の証拠開示を認める

今なら、名張毒ぶどう酒事件は、裁判員裁判対象事件となり、公判前整理手続きの過程で検察側の証拠が幅広く開示される。過去の冤罪事件では、検察側はしばしば、自分たちの筋書きに反する証拠を隠していきた。たとえば、東電OL事件では、被害者の口や胸部にゴビンダさんとは異なる血液型の唾液が付着していたことを、検察側は長く伏せてきた。布川事件では、犯人とされた2人とは違う男を被害者宅付近で見たという女性の証言が、やはり長く隠されてきた。

名張毒ぶどう酒事件は、検察側が証拠提出した関係者の調書類だけでも、不自然極まりない変遷がある。それ以外の調書や王冠の”発見”過程などが明らかになれば、事件の真相に近づくことができるかもしれない。

最近は、証拠開示に前向きな裁判官も出てきている。しかし、そういう裁判官に当たるかどうかは運次第。それではいけない。どんな裁判官に当たってもいいように、現在、裁判を行うのであれば認められる程度の証拠開示は、再審請求審でも認められるよう、制度として定めるべきだ。

2)検察官による異議申し立ては認めない

今回の最高裁決定は否定したが、「疑わしきは被告人の利益に」の原則を再審請求審でも適用するとした「白鳥決定」は、維持すべきだと思う。

名張毒ぶどう酒事件については、一審の津地裁は明解な無罪判決を書いている。そして、第7次再審請求審の名古屋高裁小出コートは、いくつもの論点を検討して、有罪判決に「合理的疑い」を抱いた。少なくとも、6人の裁判官が関わった2つの裁判体で、奥西さんを犯人とする検察主張や有罪判決に対し、「合理的疑い」を抱いた事実は大きい。

ましてや、死刑判決である。「合理的疑い」をさしはさむ余地が少しもないほどに有罪立証が固められていなければならないはずだ。それに対し、再審請求審において、3人の裁判官が「合理的疑い」を抱いた。この時点で、検察側の異議申し立ては認めず、すぐに再審を開いたらどうか。

現状では、事実上「再審開始=無罪判決」となっているため、いったん再審開始決定が出ても、検察官は異議を申し立てて、それを阻止しようと努める。その発想を変え、「再審開始=起訴時に戻って裁判をやり直す」として、検察側の主張はそのやり直し審で十分主張すればよい。裁判のやり方も、事件当時の訴訟法ではなく、現在の法律に基づいて行う。法制度は「改正」、つまりよりよく改められてきたはずで、何も以前の悪い制度で行うことはないだろう。

このようにすると、再審で有罪判決が出されることもありうる。それを承知の上で、検察側異議申し立てを認めずに、再審開始のハードルを少し下げることが必要だと思う。

3)再審請求審に市民が参加する

前述したように、「普通」の裁判官たちは、過去の裁判所、すなわち先輩たちがなした判断の間違いを正すことに、非常に消極的である。間違いを認めると、裁判所の権威に関わるとでも思っているらしい。

そうであるならば、過去の裁判所の間違いを正す機会を作る役割を、職業裁判官たちに任せたままにしておくことは、間違いなのではないか。

裁判をやり直すかどうかの判断には、過去の裁判所に何のしがらみもない市民が関わるべきだ、と私は思う。市民だけで判断をする検察審査会方式にするのか、裁判官により多くの市民が加わる裁判員方式がいいのかは議論すればよい。いずれにしても、再審の扉を開く鍵を、裁判所だけに託しておくことは、人の道に反している、とすら思う。

大きくうなずいた奥西さん

奥西さんには、17日のうちに弁護士2人が結果を伝えた。気管を切開していて、言葉を語ることはできないが、この日の意識は清明で、右手をやや上げて弁護士を迎えた、という。2弁護士によると、状況は次のようなものだった。

伊藤和子弁護士が、奥西さんの右手を握った。野嶋真人弁護士が、こう切り出した。

「最高裁の決定が届きました」「僕らの力が及ばず、ごめんなさい」

これで全てを察した奥西さんは、石のように固まって、うつろな表情で天上を見つめた。「僕らは絶対諦めません」「弁護団はこれからも今まで以上にがんばる」「次の準備をしています」…

2弁護士がそう繰り返し呼びかけると、奥西さんはうなずいた。

「8次(再審請求)をやりますよね」

野嶋弁護士の声に、2度、うなずく奥西さん。
八王子医療刑務所に移ってからの奥西さんの似顔絵。小池義夫弁護士が描いた八王子医療刑務所に移ってからの奥西さんの似顔絵。小池義夫弁護士が描いた

「僕らを選任してくれますか」

さらに大きなうなずきが返ってきた。そして、必死に何か喋ろうと口を動かす。しかし、声にはならない。野嶋弁護士が口元に耳を寄せたが、聞きとることはできなかった。

以前は、面会のたびに、「皆さん、ありがとう。がんばります」と言葉が返ってきた。野嶋弁護士が「『ありがとう。がんばります』と言ってくれているのですか?」と聞いた。奥西さんは、やはり大きくうなずいた。

裁判所や法務当局は、奥西さんの獄中死を待っているのかもしれない。それに抗うかのように、奥西さんは懸命に命の灯火をともし続けている。

制度を変えるには時間がかかるだろう。

だが、奥西さんの命の時間はそう長くない。

本当に、なんとかならないものだろうか。

弁護団は、急ピッチで第8次再審請求の準備を進めている、という。
江川 紹子

ジャーナリスト

神奈川新聞記者を経てフリーランス。司法、政治、災害、教育、カルト、音楽など関心分野は様々です。

引用:名張毒ぶどう酒事件・最高裁の棄却決定に思う(江川 紹子) - 個人 - Yahoo!ニュース




2013年10月18日金曜日

栃木の映画『約束』を見る会に行って、名張毒ぶどう酒事件のことや裁判所とゆ うものについてお話してきた〜。300人以上入っていて、びっくり。/ジャー ナリスト江川紹子

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名張毒ぶどう酒事件:最高裁再審認めず 識者の話◇裁判所の体面重視−−ジャーナ リスト、江川紹子さんの話/ジャーナリスト江川紹子

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名張毒ぶどう酒事件:最高裁再審認めず 識者の話

毎日新聞 2013年10月18日 東京朝刊
 ◇裁判所の体面重視−−ジャーナリスト、江川紹子さんの話

 弁護団が補充の意見書を出してからわずか2週間の決定で、結論ありきだ。再審で事件の真相を調べることよりも裁判所の体面を重視したのだと思う。これでは再審すべきかどうかの判断を裁判所だけに委ねられない。検察審査会のように一般市民を交えて検討するなど、再審決定の仕組みの変更を考えるべきだ。
 ◇科学的認定は正当−−元最高検検事、土本武司・筑波大名誉教授(刑事法)の話

 この事件は犯行直後に自発的な自白がある。自白を裏付けるニッカリンTについて科学的根拠があると認定した今回の決定は正当だと思う。再審はあくまで司法制度の例外的な救済措置であり、再審開始には3審制の原則を破る新証拠が必要だということを忘れてはいけない。

引用:名張毒ぶどう酒事件:最高裁再審認めず 識者の話- 毎日jp(毎日新聞)




よくわかりませんが、元官僚ですにゃ。司法試験を通った他の3裁判官もろく>でもない判断してますし、 彼女個人の属性の問題というより、少なくとも第一小法廷は>揃いも揃ってろくでもない、という問題かと。/ジャーナリスト江川紹子

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再審請求審でも「疑わしきは被告人の利益に」の原則が適用されるとする「白鳥 決定」について、これまでは「白鳥決定は死んだも同然」というような言い方を していたけど、今日の最高裁決定で/ジャーナリスト江川紹子

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